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企業のソーシャルメディア公式アカウントによる「著作物承認印」の仕組み、の提案

@rkanbe です。

sengoku38による中国漁船衝突事件の映像流出問以来、ウェブ上の動画の影響力がかなり実効的であることが実感されていますが、それと同時に「著作物の共有サイトへの投稿」という古くて新しい問題があります。そんな背景を踏まえながら下記のようなニュースを見るにつけ、ちょっとあたらしい著作物の公認の方法があるのではないか?と思ったためエントリをあげてみました。

宇多田ヒカルさんの公式動画がYouTubeから消える - ITmedia News

※公式サイドが公式動画を消してしまったという事件

あるき亭│ ニコニコ動画ゲーム実況者「違法配信?ふざけんな!原作者は公認にしろ!」

※違法動画を投稿しておいて権利者集団の一部に公認を求めた消費者が出たという事件

コンテンツプラットフォームによる、コンテンツホルダーに削除作業をさせるという傲慢な現状

さて、著作物を商用で流通させているのは、大概の場合その権利をもつ企業です。そしてそういった企業は今やTwitterやFacebookといったアカウントに公式なアカウントを設けている現状があります。これはこの数年にはじめて整った状況で、YouTubeやニコニコ動画の登場時にはまだ期待もできない状況でした。

そんな中起こったのが、上記にもリンクがある「宇多田ヒカル公式動画削除事件」です。昨年宇多田ヒカルさんがYouTubeでプロモーションを行った際本物と偽物の区別がつかず、検閲担当者公式動画も消してしまいました。


なぜこのような自体が起きているかというと、疑わしきは削除せずがポリシーのYouTubeなどの共有サイトは、自ら削除業務を負うことをせず、著作権者に違法コンテンツの削除ツールを公開しています。


このような「対策」が運営側の言い訳となり著作権侵害が親告罪であることからも、動画共有サイトはグレーゾーンでやりたい放題の現実。コンテンツホルダーはたまったものではありません。しかし広告掲載などでGoogleなどはしっかり実利を得ているのが現状です。


企業のソーシャルメディア公式アカウントによる「著作物承認印」の仕組み、の提案 


そんな状況では、コンテンツホルダーは疲弊し、動画共有サイトのために無償の労働を強いられます。たとえばYouTubeひとつであればともかく、複数の動画共有サイトで削除作業を行わなければならないとしたら、いったいそのコストは誰が負担すべきなのでしょうか?


であれば、不法掲載された著作物の削除を自動化するためのひとつの手段として「企業公式の
ソーシャルメディアアカウントがYouTubeの動画サイトなどにOAuthOpen IDログインして、公式承認マークを付けるとともに、ソーシャルメディアにもフィードを流して「公認」のエビデンスを明示する」というようにしてはどうでしょうか?(以下に概念図を示します)。


今や、TwitterのOAuthやFacebook ID、mixiのOpenIDなど、ソーシャルメディアを使って企業が法人格をもって運営されているアカウントにひも付てウェブサービスの利用権限を付与するのは極一般的な流れです。動画に対する公認作業を、それら動画サイトのアカウントとは別の、外部のサービスの認証手段を上手に組み合わせて実施してみてはどうか、ということです(以下に承認のフローを示します)


さらに具体的なフローは、下記の2枚目の図をごください。



上記の図の中にもありますが、ざっと考えただけでもこんなメリットがありそうです:


「著作物承認印」導入のメリット(あくまで想像上のもの)

・ソーシャルメディアのアカウントが公式なものかは、ウェブサイトや関連サイト(ツイナビ)などで担保することが可能。ブロックもソーシャルメディア側で容易

・承認のためのログインの機構を、コンテンツプラットフォーム側が実装することも容易

・ソーシャルメディアの担当者が、新規動画のプロモーションをと承認を同時に行えるので人的コストを節約可能

・捺印を行うことで公式に提供されている動画であると明示できるので利用者も安心して楽しめるほか


ソーシャルメディアのフィードとの連動で動画の告知や認知向上にもつながる


Google Content IDなどによる削除オペレーションも、承認印のついたものだけは除外する事ができ効率的に。


デメリットとしては、ソーシャルメディアにおける企業アカウントの偽装や、乗っ取りに弱いということでしょうか。ただし、このあたりはソーシャルメディアを利用する企業が増えていき、その利用のリテラシーが上がってくれば、自然と補われていくのではないかと感じています。


このしくみの実現度は?コンテンツの効率的な解放を願って


正直ジャストアイディアなので、実現度や細かい部分での信頼性などはまだまだ未知数です。しかし、権利者の当事者がオンラインにコンテンツと同様に共存することにより可能な、しかも効率的な承認作業というのは何らかの方法で必ず実現可能だと思います。


このブレストレベルのアイディアが、実際に動画共有サイトなどで検討され、サービスを選ばず安心して公式コンテンツを楽しめ、またコンテンツホルダーや原作者など本来の権利者に戻っていくべき収益が、ほんの少しだけでも回復すればよいのではないかと思います。違法動画を撲滅するという意味だけではなく、公式動画の効率的な運用を行うにはどうしていくべきか、という視点からも考えていくことが必要だと感じています。

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